千代田グループは、1980年代のナショナルプロジェクトであった石炭液化プロセス開発に参画して以来、石炭のクリーン利用技術としての石炭液化、ガス化技術に常に着目してきました。
下図は、固体原料ガス化炉の特性を公表文献をもとに比較したものです。
重質油処理技術やクリーンコール・テクノロジー(CCT)として脚光を浴びているガス化技術について、第1段階として、ライセンサー技術の比較調査を実施したものです。
ガス化炉 | Shell SCGP | GE/Texaco | E-Gas |
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ガス化炉構造 | |||
反応器内壁構成 | 水冷膜壁 | 耐火材 | 耐火材/2段反応器 |
原料供給方式 | 乾式供給 | 水スラリー供給 | 水スラリー供給 |
ガス化温度(℃) | >1,500 | 1,315-1,480 | 1,000-1,050 |
ガス化圧力(bar) | 25-45 | 36-87 | <42 |
Slagging条件 | Slagging | Slagging | Slagging(1st stage) |
ガス化ガス冷却方式 | Syngas cooler or Water quench | Water quench or Radiant Cooler | 2nd stage reactor and Fire tube boiler |
バーナー型式 | Multiple burners(4-8) | Fuel injector | Two horizontally opposed burners |
バーナー寿命(月) | 28以上 | 2-3(Fuel injector tip) | 3-6(Fuel injector tip) |
水冷膜壁/ 耐火材メンテナンス 周期(年) |
10 | 2月3日 | ~2 |
原料対応範囲 | ほとんどの石炭種・Petcoke | 高水分炭は不可 | Fixed carbon,VM,Ashが変動する原料でも可 |
冷ガス効率(%) | 80-83 | Dry feedに対して-3% | ShellとGEの中間 |
酸素消費率 (Nm3/1,000Nm3(CO+H2)) |
330-360 | 380-460 | ShellとGEの中間 |
実績 | >15基(2006~) | >9基(1990~) | POSCO SNG Project(2010) |
ガス化炉 | Prenflo | ECOPRO |
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ガス化炉構造 | ||
反応器内壁構成 | 水冷膜壁 | 耐火材/2段反応器 |
原料供給方式 | 乾式供給 | 乾式供給 |
ガス化温度(℃) | 1,350-1,600 | 700-1,100 |
ガス化圧力(bar) | >40 | 20-30 |
Slagging条件 | Slagging | Slagging(1st stage) |
ガス化ガス冷却方式 | Waste heat boilers or Water quench | 2nd stage reactor and Heat exchangers |
バーナー型式 | Multiple burners | N/A |
バーナー寿命(月) | 28以上 | N/A |
水冷膜壁/ 耐火材メンテナンス 周期(年) |
10 | N/A |
原料対応範囲 | ほとんどの石炭種・Petcoke | 高揮発瀝青炭~褐炭 |
冷ガス効率(%) | ~80 | >85 |
酸素消費率 (Nm3/1,000Nm3(CO+H2)) |
330-360 | N/A |
実績 | >6Projects実施中 | 開発段階 |
石炭利用の高度化への取り組みのひとつとして、千代田グループは石炭部分水素化熱分解技術(ECOPRO)の実証プロジェクトに参画しています。
ここにご紹介するのは、石炭ガス化プロセス"ECOPRO Process"のライセンサーである新日鉄エンジニアリング(株)殿と共に、ドイツで石炭の予備乾燥技術調査を行った際の写真です。
WTA Drying Technology
Visit of Nippon Steel Engineering delegation at Niederaußem power station 2011 June 15
2011/06/15 RWE Niederaußem石炭火力発電所(WTA process/水蒸気流動床乾燥技術)を見学。
褐炭高効率発電とWTA技術の組合せで熱効率を 4~6%向上させている技術です。
石炭利用の高度化における重要な課題のひとつに、低品位炭(褐炭)の高度利用の推進があります。
以下は、NEDOからの委託により検討したASC(Artificial Super Coal)法の開発に関する事例です。